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アダルトチルドレンとは?原因や特徴。治し方や治療方法はあるのか?

アダルトチルドレンとは

『親との関係で何らかのトラウマ(心的外傷)を負ったと考えている大人』です。

医学的に存在する病名や疾患でもないので、どこかで誰かに「あなたはアダルトチルドレンです」と診断されもものでもありませんし、治療や明確な治し方があるものでもありません。

心理学用語でもないですが、過去の幼き日の感情が今の自分を苦しめることがあるというのを理解してもらうために、分かりやすい言葉であるのでここで紹介します。

今、生きづらさを感じているのなら、その感情の回復や付き合い方や癒やし方はありますので最後まで読んでみてください。

アダルトチルドレンとは、もとはアルコール依存症の親のもとで育った子供が、トラウマを抱え成人になった人を示していました。

アルコール依存症者に育てられた子たちが、嫌な思いをして育ち「あんな風にはなりたくない」と思いながらも、高い確率で自分自身もアルコール依存症になりやすいという統計があります。

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嫌な親の姿を見て、反面教師になるかと思いきや、自分自身もその道をたどる負の連鎖から抜け出せないというパターンです。

しかし、これはアルコール依存症の親の家庭にとどまらず、

  • 過度に厳しい、または冷酷な父親
  • 仕事依存で子供に関心がない父親
  • 突然の入退院を繰り返す母親
  • 子供に無関心な親
  • 感情を表現することを許さない親
  • 夫婦喧嘩で母親が家出を繰り返す

このような家庭を『機能不全家族』といいます。機能不全家族で育った子たちに共通するのが、成人しても生きづらさを感じていることが多いということです。

 

よくある誤解

アダルトチルドレンはよく誤解されますが

×大人になっても子供のような人

×病院で診断されるもの

×根も葉もない怪しいスピリチュアルなもの

ではありません。

 

アダルトチルドレンの特徴・症状

意外と思うかもしれませんが「何も問題を起こさず、おとなしく静かな人」に多いと言われています。

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そういった方こそ気づきにくく厄介なことがあります。

逆に、問題行動を起こすくらいの人も存在するでしょうが、そんな人は周囲も自分も気づきやすいです。おとなしく静かな人こそ一見は問題にならず、明るみにも出ず、自覚することもないからです。

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いわゆる「良い子」に多いです。

 

具体的な特徴

・周囲が期待しているように振る舞おうとする。

・「NO」が言えない。

・しがみつきと愛情を混同

・自己処罰に嗜癖しちえる(自己否定感が強い)

・何もしない完璧主義者。

・尊大で誇大的な考え(や妄想)を抱いている。

・被害妄想に陥りやすい。

・表情に乏しい。

・楽しめない、遊べない。

・楽しいフリをする。

・環境の変化を嫌う。

・他人に承認されることを渇望し、さびしがる。

などがあります。

アダルトチルドレンとなり苦しむ人は、以下でも述べますがアルコール依存者や共依存者になりやすいです。自己肯定感が低く、精神的に自立が出来ていないため、何かに依存することで自分の存在意義を見つかるしかないからです。

共依存とは書いて字のごとく「共」に依存することです。例を出すなら、自分がいなければ生きていけない相手を見つけて、或いはその状態を作りだし、そして自分の存在意義を見つけている状態です。具体的には、子供が成人しても世話を焼き続けることで自己肯定感を得る母親や、常に弱者の助けをし続けないと不安になる人などです。

 

参考

 

アダルトチルドレンのタイプ

■【ヒーロー】

夫婦関係の中が悪いときに、子供は一芸に秀でてその危機を救う役(ヒーロー)を引き受ける。夫婦は子供が、勉強でもスポーツでも活躍する姿に熱中することで、一時期よい関係を良くしたりする。子供が頑張るほど、両親の仲が良くなるために、さらに頑張る気持ちが湧く。

 

■【スケープゴート(犠牲の山羊)】

ヒーローとは逆に、一家の中のだめな役を引き受けるような子供。非行、薬物乱用など、問題を起こすことで、両親は他の問題には目を向けることがなくなり、一家の崩壊を防ぐ。

 

■【ロスト・ワン】

ヒーローやスケープゴートのように目立つことなく、静かで「いないような子」という存在のしかたをする子供たち。家族内の人間関係から離れることで、心が傷つくのを避けようとする。

 

■【プラケーター】

一家の中の暗い顔をしている人をいつも「どうしたの?」と優しく慰めてくれる子です。例を出すと、夫の暴力で悩んでいる母を慰めてくれる子で、「末っ子」が多いです。

 

■【クラン(道化役の子)】

夫婦が喧嘩をはじめて緊張が走るとき、突然歌いだしたり、おかしなことを言ったりしてその場を和ませる子です。

SATORU
「お笑い担当」といえば分かりやすいでしょう。

 

■【イネイブラー】

家族の誰かがネガティブな状態でいるときにそれを支えて、世話を焼く子です。「偽親」とも呼ばれ、上の子に多い。男の子(女の子)が母親(父親)を支えるとまるで「夫婦のような関係」となり、これが情緒的近親姦につながることもあります。
※参考 『アダルトチルドレンと家族』 斎藤 学

 

これらの子に共通するのは、母の顔色、父の機嫌など、家族の雰囲気を優先しているということがあげられます。

 

アダルトチルドレンとなる原因

原因はさまざまありますが、例えば

  • 周囲が期待しているように振る舞おうとする。
  • 「NO」が言えない。

であれば、「見捨てられる不安」から他人の目をいつも気にしていて、「自分」というものを持つのをやめてしまっています。いかにして自分が見捨てられないようにするべきかを最優先するためには、自分を持つのを捨てる必要があるわけです。

 

SATORU
機能不全家族の中では、その生き方で生きる必要があったのでしょう・・・。

 

そんな子達が、アルコール(やその他のもの)に依存したときにだけ「本来の自分」を出せる感覚を無意識的に感じていると言われています。

 

アダルトチルドレンからの回復

アダルトチルドレンには問題行動を起こしてしまう人もいますが、ほとんどの場合は、他人の目を気にして「静かでおとなしい人」です。だからこそそこに気づきにくいのですが、まずは自分が生きづらさを感じていないかを自覚することから始めることが大切だといえます。

その後は、抑えていた感情を出し切ることも大切です。感情を出すこと、感じた感情になんの罪も無いことを知る経験が必要です。

  • 心理カウンセリングを受ける
  • 心について学ぶ
  • 心について話せる仲間をつくる
  • ヨガで呼吸と身体を日々感じる週間
  • よりよい生き方を長い目で作り上げる

ことが何よりの道だといえます。

 

SATORU
小手先のテクニックや近道はありませんが、確実な方法です。

 

【重要】注意点

SATORU
僕からのシェアです。

アダルトチルドレンの理論は素晴らしいですが、注意が必要です。

何事もアダルトチルドレンのせいにしていては、まるで他人ごととなり、軸が自分ではなくなります。

そして、世の中に完璧な人が存在しないのと同様に「全くアダルトチルドレンではない人」は存在しないのではないでしょうか?

人は何らか怒りっぽかったり、人と依存(甘えん坊など)したり、嫉妬心が強かったり、プライドが高かったり、コンプレックスが強かったりします。人は皆「いびつ」なものです。

その「いびつ」なところが個性であり、実はこれが生きるエネルギーにもなります。だからアダルトチルドレンでありながら世の中の成功者となる人も多くいますし、幸せになることもできます。

注意したいのは、完璧になろうとしていつまでもアダルトチルドレンではなくなることを目指し過ぎることです。それではいつまでたっても今の自分を肯定できません。目的はアダルトチルドレンの完全な排除ではありません。(もちろん回復し、癒やすことは重要ですが)

目的は、あなたが幸せに生きる方法を選択することですので、見失わないようにしましょう。

ちなみにアダルトチルドレンとは、「生きにくさを感じて苦しい人」を示します。過去のトラウマがあることが問題ではなく、あなたが今、苦しい思いを抱いているか否かが大事なことです。

 

SATORU
この記事を読むセラピストさんなどにも、なんらか刺激や参考になればと思います。

 

ヨガとの関係性

ヨガとの関係、あるいは身体との関係と言っても良いでしょう。ここは重要で現実的なことだと僕は考えます。

インナーチャイルドの理論だけの話にとどまらず、幼き頃の未解決な感情が身体に病気になって現れると言われています。

ヨガとは身体と心を整えるものとわれていますが、ヨガで身体を動かしながら呼吸をして意識も骨や筋肉、その他の体感覚に意識を向けていることは、まさに自分の奥深い感情と向き合っていると考えられます。(意識的かもしれませんし、無意識的かもしれません。)

僕は「ヨガの誘導の言葉」をヨガの先生向けに養成講座を開いていますが、何もきれいな言葉を並べているわけではなく、「ヨガをしていることは、生徒さんが自分と向き合っている瞬間」だという認識のもとレッスンを組み立てています。

ただ、あまりにも露骨に過去と向き合うようなヨガレッスンであっては一般生徒さん向けではなくなります。露骨な言葉では思考が拒否して、心の奥の感情は受け取らないことがほとんどです。又、特別に自分と向き合うつもりもない生徒さんもおられますので、そういった方にも受け入れられるレッスンでないといけないというのが、僕の思うところです。

理屈は誰でも言えますので、あとはあなたがどう感じるかは実際のレッスンをご体験ください。You Tubeオンラインレッスンリアルワークショップにてお会いしましょう。

 

参考

 

■Short Film

 

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  • この記事を書いた人

SATORU

ヨガ心理学講師 ヨガ&瞑想リトリートセンターHuman BeING Hakushu 代表 / スタジオ-YOGATERIOR 代表 / アジア最大級のヨガイベント「ヨガフェスタ横浜」講師 / IHTA協会(YMCヨガスタジオ)ヨガ心理学外部講師担当 / 全国各地でワークショップ・講座を開催中 / ヨガインストラクター育成講師 / 心理カウンセラー / ヨガ×心理学ヨガリボーン考案者 / 美姿勢ヨガライフ考案者 / 著書(電子書籍):生徒の心に響く「ヨガ誘導の言葉」/ ヨガ全国誌『Yogini』ヨガ心理学エッセイ連載 ・ 同誌にて自己肯定感が高まるヨガ監修 / YouTubeチャンネル登録者数7550人(2023年9月現在)/Voicyパーソナリティ・「自己肯定感が高まるヨガ心理学ラジオ」 1975.2京都生まれ 現在山梨県北杜市白州町に在住

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