日本ヨガ心理学協会 代表理事 SATORUです。
ヨガの誘導の言葉を専門にしておりまして、下記の講座を開催し続けている講師です。
ヨガインストラクターにとって「声」は欠かせない要素です。
ただ「きれいな声」であれば生徒の心に響くかというと、そう単純ではありません。
私はこれまで数多くのインストラクターに「ヨガ誘導の言葉」を指導してきました。その中で気づいたのは、「声の良し悪し」よりもインストラクターの心の在り方や感情の込め方こそが、生徒に響くということです。
この記事では、ヨガインストラクターにとって声がなぜ大切なのか、そしてどうすれば心に響く声で誘導できるのかを解説します。
ヨガインストラクターにとって声が大事な理由
声は、見た目と同じように相手の印象を決める大きな要素です。いやヨガにおいては見た目以上に「声」は大切かもしれません。
質問したいのですが、
今までであなたがヨガレッスンを受けて、心に残ってる瞬間てどんな瞬間ですか?
この質問は講座の受講生に何人もに聞いているのですが、心に残ったレッスンを思い返したとき、ポーズの説明や、シーケンスよりも「先生の声」が印象に残っていることがよくあります。
きれいな声=心に響く声ではない
僕自身も「先生の声がいいですね」と言われることがあります。すごくすごく嬉しいことなのですが、僕はわかっています。
僕より声がいい先生なんてゴマンといます。
声がいいから心に響く?
逆です。心に響いた声だから、声が良いという印象が残っているんです。
例えばもし100人の男性が同じセリフを同じように読み上げたら、僕の声が1番良いと感じる人は少ないでしょう。
「声質」や「音色の美しさ」だけでは、生徒の心を動かすことはできないのです。
ヨガはそんな安易なものではないと思います。
とはいえ、良い声、よくない声ってあるんです。なんか混乱させてしまうかもしれませんが、
良い声ってあります。下記を読み進めてください。
良い声とは?声質より大切なもの
良い声があると言っても、生まれ持っての声がいいか悪いかってことではないです。
「私は声に自信がない・・・」なんて落ち込まないでください。
確かに生まれ持って声が美しいか、美しくないかだったら美しい人が良いのかもしれませんが、そんなことより大切なことがあります。
それは、インストラクターが「どんな気持ちで話しているか」です。
私はこれまで多くの先生の誘導を見てきました。棒読みの人、角が立つような声、キンキンと響く声…。それは声が悪いのではなく、心がそのまま声に出てしまっているのです。
「私きれいでしょ」とドヤりながら話す先生
「私があなたを癒してあげる」と優しすぎる先生
そのメンタリティーが透けて見え、生徒に伝わってしまいます。
特に優しすぎる誘導を僕は注意します。
優しいというのは一見良いような印象ですが、実は生徒を下に見ていたり、依存を生んでしまったりします。
典型的な例ですが、お母さんが幼児をあやすような話し方です。
下記のような感じです。
「今はなーんの心配もせずに、そうまるで、お母さんのお腹の中にいるような・・・身体の力をぜーんぶ抜いて、リラークスして行きまーす。」
(文字で説明してるので、ニュアンスまで紹介できないのが残念ですが)
これをを子守唄のような優しい声でゆっくりと話すのは、一見生徒を大切に扱っているように見えますが、生徒を下に見ているのではないでしょうか?
生徒は大人です。私が癒してやろうってのは、生徒の自主性を奪っているし、おこがましいです。
先生が圧倒的にカリスマ性があり、人間的な存在感があれば別ですが、通常はこういう誘導はやめた方が良いです。
先生自身も心が苦しくなる可能性があります。(これについては心の知識を学べばわかります。)

心に響くヨガ誘導とは?
心に響く誘導とは、声だけの小手先のテクニックではなく、もっと根源的な根本からヨガと向き合う必要があります。
・ 自分はレッスンで何を伝えたいのか。
これを明確にことが必須です。
シンプルにいうと、
①自分がヨガで伝えたいことはどんなことなのか
②それを本気で感情込めて伝えられるようになる
こんな手順です。あなたがもし、心に響くヨガレッスンができないのであれば①がないのかもしれないし、②が足りてないのかもしれない。
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心に響くレッスンをするために

イベント登壇する修了生yurika先生 Green Yogafesta 町田にて
誘導の講座では①を明確にするために、「あなたはなぜヨガが好きなのか?」をしっかりと向き合っていきます。時には僕や仲間と一緒に探求します。
②を養うために「感情表現の練習」も教えています。声を整えることももちろん大切ですが、どんな気持ちで話すか。感情がのって話せば、人の声は心地よく心に届きます。どんな人間の声でも。
繰り返しますが、僕の声自体が人一倍良い訳ではないです。
それでも、SATORUの誘導が心に響くといわれ始め、講座を開催するようになったのですから、あなたにもできるはずです。
決して講座の勧誘をしたくて言っている訳ではなく、僕はその理論を確立していますし、トレーニングした先生たちは生徒さんからも「先生の声が好きです」「心に響きます」という感想をもらっています。
まとめ
ヨガインストラクターにとって、声は大切です。しかし、それは声質だけではありません。
①自分がヨガで伝えたいことはどんなことなのか
②それを本気で感情込めて伝えられるようになる
ことが大切です。そのためには心の知識や呼吸の誘導スキルも必須です。
「声」自体が特別じゃなくても、生徒の心に響くヨガ誘導はできるようになります。
心に響くレッスンを身につけたい方へ